地球こどもクラブ 会長 山東昭子

地球こどもクラブの原点には、「子供たちの感性こそが未来を創る」という揺るぎない想いがあります。世界には、戦争や貧困で夢を語ることすら難しい環境に置かれた子供たちがいます。しかし本来、すべての子供たちには、空や海、自然に心を動かし、自分の手で未来をつかみ取る力があります。私は、子供たちがその“生きる力”をのびのびと発揮できる環境をつくることこそ、私たち大人の責任だと考えています。


子供たちの表現が教えてくれる、未来へのヒント

これまで多くの絵や作文が国内外から寄せられてきましたが、そこには大人では想像もつかない発想や、自然への鋭いまなざしが詰まっています。色使いや構図ひとつを見ても、「こんな感覚があったのか」と驚かされることばかりです。子供たちの作品は、大人が忘れてしまいがちな“地球への気づき”を思い出させてくれます。

アジアを中心に活動してきましたが、表現は国境を超えて響きます。文化や言葉は違っても、子供たちが自然と向き合う心は共通です。その心の動きを作品として受け止め、世界へ発信することは、未来を考えるうえでとても大切な意義があります。


活動をさらに広げ、子どもたちの想いを世界へつなぐ

地球こどもクラブはまもなく35周年を迎えます。これまで無理のない範囲で続けてきましたが、今後は各国大使館や関係機関とも連携し、より多くの国・地域に活動を広げていきたいと考えています。作品を募集するだけでなく、子供たちの表現を“世界に届ける場”を増やしていきたいのです。

その一つが、2027年の「花博」での展示構想です。来年度のテーマを「花」とし、集まった作品を花博で公開できるよう、準備を進めています。花は国境も言語も超えて人の心をつなぐ象徴です。子供たちの自由な感性で描かれた「花」が世界の来場者の心に響くことを願っています。

活動当初は予算も体制も整っていませんでしたが、多くの企業・行政・学術界の皆さまの協力によって続けることができました。「子供たちに環境を学ぶ機会をつくる」というシンプルで強い想いが、多くの人を動かしてきたのだと感じています。


未来をつくるのは、子供たちの“まっすぐな眼差し”

子供たちが描く線、選ぶ色、紡ぐ言葉には、未来への希望と、地球への優しさがあふれています。大人の私たちにできるのは、その声をしっかり受け止め、より多くの子供たちが自由に表現できる環境をつくり続けることです。

地球こどもクラブはこれからも、子供たちの感性を守り育み、その発信を支える存在でありたいと思っています。